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Channel: スポーツナビ+ タグ:中田英寿
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琴奨菊の優勝で10年間立ちはだかった見えざる壁が崩された。これは一つの時代が終わり、新時代の始まりなのか

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琴奨菊がついに10年間途切れていた日本出身力士による優勝を果たした。ここの所いろいろ書いてはきたが素直に祝福したい。わたしは子供の頃から、琴ヶ梅や琴錦、琴稲妻に現親方の琴ノ若、さらには忘れちゃいけない琴光喜に琴欧洲など佐渡ヶ獄部屋の力士が好きだったし、琴奨菊も応援していた。それにしても、あの琴奨菊が優勝するのは想像できなかった、というのは北の富士勝昭氏やデーモン閣下も言っているように多くの人も同じ思いだと思う。ここまで何度も大ケガをしながら、本当に諦めずに続けてきて良かったと思う。今までは、とにかく我武者らに立ち合いで踏み込んでがぶるだけで、そのために容易に注文相撲にハマることも多かった。しかし、今場所は立ち合い勝負は変わらないものの、しっかり対策を取りながら出て行けたことが勝因だと思う。とにかく素直に祝福します。おめでとうございます!最後に日本出身力士の栃東が優勝した2006年はどんな年だったかというと、まだ小泉純一郎首相の時代(この年の9月まで)、スマートフォンなんかはまだなく、前にも触れたことがあるが、今では「国民的アイドル」と称されるAKB48はまだデビュー前(この年の10月にメジャーデビュー)、スポーツ界ではトリノオリンピックで荒川静香が日本フィギュアスケート界初の金メダルを獲得し、サッカー日本代表はジーコを監督にワールドカップドイツ大会に出場、ということはまだ中田英寿が現役だった(W杯を最後に引退)。プロ野球はまだクライマックスシリーズ導入前で、日本シリーズは中日ドラゴンズと北海道日本ハムファイターズが戦い、日本ハムが44年ぶりの日本一に輝いている。競馬界では前年の3冠馬ディープインパクトが天皇賞・春、宝塚記念、ジャパンカップ、有馬記念を制し、凱旋門賞に参戦(3位入線、失格)、有馬記念を最後に引退した。他にもまだまだあるだろうけど、こうして見ていくと十年一時代と言う通り、10年も立つといろいろと変わっているものである。そんな中、相撲界だけは見えざる壁が立ちはだかっていたのだ。ただこれは決して冬の時代だったわけではない。もちろんその間、暴力事件に野球賭博問題、八百長疑惑等々様々な問題が噴出していたが、土俵上ではアツい戦いが繰り広げられていた。その中心にいたのが、栃東が優勝した2006年初場所時はまだ関脇で、翌場所に大関昇進を果たす白鵬だったのである。先に触れたような問題が起こる中で、朝青龍引退後は一人横綱として牽引し、日本出身力士以下の大きな壁となってきた。見えざる壁と書いたが、それは白鵬という壁だったと言っても過言ではないだろう。その白鵬が先場所に続き今場所も後半に失速、特に今場所は内容もなく心配だ。ケガの影響ももちろん考えられる。年も重ね体力的に15日間取り切るのは大変なのかもしれない。ここ2場所栃煌山戦で見せた猫だましや立ち合いの変化は余裕の現れにも見えたが、逆に余裕がなかったのかもしれない。そして最も心配なのはメンタル面でキレてしまったのではないか、ということ。大鵬の最多優勝記録も更新し具体的な目標もなくなり、モチベーションが薄れているようにも見える。きのうの琴奨菊ー豪栄道戦、わたしはあることに注目していた。それは白鵬の優勝がかかった一番で必ずと言っていいほど起きていた相手力士へのコールが起きるのかということ。優勝決定戦を期待し優勝争いとは無縁の力士に対するコールが度々起こっていたが、きのうは琴奨菊への声援ばかりで「豪栄道コール」など起きなかった(テレビを見ているだけだが)。これは当然と言えば当然で健全なことなのだが、自分の時との違いに「やっぱりオレには優勝して欲しくないのか」と思っていないだろうか。琴奨菊の優勝で一つの時代、「白鵬時代」が終わり、新たな時代に突入するのだろうか。当然、白鵬も年を取り今までと同じにはいかないだろう。しかし、ここ10年見せてきた強さはまだ健在だと思いたい。来場所以降も白鵬を中心に呪縛を解かれた日本出身力士にももっと頑張ってもらい、さらなるアツき戦いを期待したいと思う。最後に、いままで稀勢の里に色々と言ってきたのは、本当に期待しているからで、なかなかうまくいかない現状に歯痒い思いをしているからです。白鵬戦は何とも言えないけど、千秋楽の鶴竜戦は本当によい内容だったと思う。本当はこの人に日本出身力士の不名誉な記録を止めて欲しかった。来場所からは余計なプレッシャーが減るだろうし、初優勝に向けて精進して欲しい。琴奨菊が稀勢の里との稽古で鍛えられ優勝できたのなら稀勢の里のだって出来ないはずはないのだから。では。

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